IFA17、「透明テレビ」から赤ちゃん監視用VR眼鏡まで 最先端製品ずらり ドイツ

独ベルリンの大型家電展示会IFAに設けられたオランダの電機大手フィリップスのブースに展示されている、VR(仮想現実)技術を用いた赤ちゃん監視システム用の眼鏡(2017年8月31日撮影)。(c)AFP/TOBIAS SCHWARZ〔AFPBB News

 米国の市場調査会社IDCがこのほど公表した、仮想現実(VR:virtual reality)と拡張現実(AR:augmented reality)用ヘッドセット市場リポートによると、今年(2017年)4~6月期における世界台数は、210万台となった。この台数は、1年前に比べ25.5%増加したものの、前の四半期から若干減少している。

規模はウエアラブルの10分の1以下

 VRは、目の前にある実際の場面から離れ、完全にデジタル世界に没入するという技術。これを実現するものとしては、米フェイスブック傘下のオキュラスVRや、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)などが販売するヘッドセット(ヘッドマウントディスプレー)がある。

 一方のARは、目の前の現実の環境にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術だ。例えば、メガネ型ヘッドセットなどの情報機器を使い、現実の風景にさまざまな情報を表示すれば、工場などの作業現場で業務の効率化が大幅に向上するとして、産業分野での可能性が期待されている。

 しかし、今回のIDCのリポートを見る限り、この市場が本格開花するには、まだしばらく時間がかかりそうだ。例えば、同社が先ごろ報告していたウエアラブル機器の今年4~6月期における世界出荷台数は2630万台。VR/AR用ヘッドセットの市場はこれと比較しても、規模が相当小さい。

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ARヘッドセットはわずか2%弱

 しかも、さまざまな分野で期待されているARは、さらに規模が小さい。IDCによると、この4~6月期に世界で出荷されたVR/AR用ヘッドセットのうち、VR用ヘッドセットの比率は98%強。AR用は残りの2%弱にとどまっている。