香港で夏のインフルエンザが猛威 死亡者315人

この夏、香港でインフルエンザが猛威を振るっている〔AFPBB News

 新専門医制度は来年度から始まるのだろうか。反対を表明する文章や署名が多数提出されるなか、8月2日に塩崎恭久前厚労大臣は談話を発表、地域医療や専攻医のキャリアプランへの悪影響に対する懸念を表明した。

 しかしそのわずか2日後、専門医機構は2018年度からの制度開始を宣言した。地域医療に問題が出た場合には対応するので問題はないという理屈のようだ。

 これまでにも専門医を認定する制度は存在した。今回は国民に分かりやすく専門医の質を担保した制度にするため、制度改革が行われることになった。

見切り発車の新専門医制度

 しかし大学病院を主とする大規模施設に所属しなければ、専門医取得ができないことになるため、地域医療の崩壊や自由なキャリア形成・女性医師のキャリアアップの阻害などの悪影響が予想されている。

 そもそも、何のための制度変更なのかがいまだ具体的に示されていない。全員に1つの型の研修を課す時点で、それは誰にとってもベストな研修ではなくなる。

 専門医資格は、専門医機構が認定するプログラムを修了し、登録料を収めたことは証明できても、専門医の能力は証明できない。

 専門医の人数取得が研修施設となるための基準に組み込まれている場合があるにしても、診療報酬は非専門医と同じであり、専門医取得の明確なメリットが具体的に示されていない。

 しかも、診療科によっては専門医の資格を取得してもほとんど役に立たない場合がある。そうなると専門医という資格は有料で楽しむゲームに等しい。

 決まった場所で修行を積み、学会のスタンプラリーポイントを獲得することで、ボスと対戦するための扉が開く。対戦で合格すればクリアだ。若手は、自分のやりたいことの邪魔にならないのであれば取ればいいし、邪魔になるなら取らなければいい。