転職求人サイト「ミドルの転職」(エン・ジャパン株式会社運営)で行われた転職コンサルタントへのアンケート結果によると、「ミドルの異業種転職を実現した人がいる」と回答したコンサルタントは59%に達し、2015年の同調査から3ポイント上昇した。近年のミドル異業種転職者は増加傾向にあり、ミドル層でも積極的な雇用の流動がみられる。
ミドルの異業種転職への需要、企業サイドの事情
同アンケート結果によると、転職実現者の業種は1位がメーカー(68%)、2位に商社と流通・小売・サービス(45%)が同率で並ぶ。
異業種への転職が多い理由は、1位が「異なる業種でも業務内容の変わらない職種・ポジションでの採用が多いため(76%)」、2位が「新規事業に伴い、他業種の技術やスキルを獲得・活用するため(58%)」、3位の「イノベーションを生み出せる人材を必要としているため(56%)」となっている。
一方、職種を見ると「営業・マーケティング系(58%)」「経営・経営企画・事務企画系(52%)」「事務・管理系(44%)」の非技術系が圧倒的に多く、後者の2職種においては、業種は異なるものの業務内容に変化がなく、前職で培ったスキルが異業種への転職でも求められることが分かる。一方、営業・マーケティング系が多いのは「新規事業に伴い、他業種の技術やスキルを獲得・活用」という部分での需要にマッチしてのことだろう。
企業が望んだところで、転職する側からの供給がなければ(異業種)転職マーケットは成立しない。転職マーケットの拡大は終身雇用制や年功序列人事の崩壊と無縁ではないが、何よりも自分をより高く評価してくれる職場で働きたいというミドルが増えていることが大きい。