国連人権理事会の「言論と表現の自由に関する特別報告者」であるデービッド・ケイ氏が、日本の報道や表現の自由は政府によって抑圧されていると批判し、とくに日本の放送法の「政治的公平」を求める条文が報道の自由への抑圧を強めているとして、規制の撤廃を提案している。
だが、そうしたケイ氏の主張に対し、日本の放送の歴史に詳しい米国人学者は「ケイ氏は日本の放送法が米軍の占領期間中に米国の意向で作られたことを知らないようだ」と指摘する。また同学者は、日本のメディアの実態をまったく知らないまま数日間の「調査」だけで日本側を非難するケイ氏の手法は客観性を欠くとも主張した。
高市大臣が放送局に“脅し”?
カリフォルニア大学アーバイン校の特任教授、デービッド・ケイ氏は、この1カ月ほどの間、国連や米国内で日本の報道や表現の自由について独自の調査報告を発表してきた。日本では政府がニュースメディアを管理し、表現や報道の自由を抑圧しているという批判的な内容である。
ケイ氏は国連から特別な権限を与えられているわけではないが、「特別報告者」として自分の調査結果を国連に報告している。