7月4日は「アメリカ独立記念日」だ。1776年7月4日、アメリカ独立宣言が大陸会議に採択された。
この日のことを英語で「インデペンデンス・デイ」ということもある。アメリカ合衆国の誕生日であり、全米各地で盛大に祝われる。
パレードと花火がこの日のイベントの定番で、バーベキューやピクニック、コンサートなどに多くの人びとが繰り出す。小売業にとっては、かき入れ時の「セール」期間でもある。
「インデペンデンス・デイ」というと、ハリウッド映画の『インデペンデンス・デイ』(1996年公開)のことを想起する人もいることだろう。巨大宇宙船によるエイリアンの地球侵略によって人類全体が滅亡の危機に見舞われるという内容だ。20年後となる昨年2016年には、続編の『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』も日本公開されている。
だが、今回はこの映画の話をしたいわけではない。「独立記念日」そのものについて話をしたいわけでもない。「7月4日」という日付ではなく、今から241年前の「1776年」という年に注目してみたい。
『国富論』が書かれた時代の英国
「独立宣言」が発せられた1776年、この同じ年に英国では、後世に大きな影響を与えた本が出版されている。アダム・スミスの『国富論』(An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations)だ。