東京五輪招致で裏金疑惑報道、組織委は否定

記者会見で東京五輪・パラリンピックの新エンンブレムを発表するエンブレム委員会の宮田亮平委員長(右)と元プロ野球選手の王貞治氏(2016年4月25日撮影)〔AFPBB News

 政府は2020年のオリンピック・パラリンピック誘致に成功したのを機に、外国人観光客の増加を目指している。関係省庁も各種標識を外国人に分かりやすく改める方針を検討しているとマスコミも伝えていた。

 国土地理院は、外国人に分かりやすいような英語表記や地図記号に関する報告書をまとめ、例えば郵便局マークは「〒」に代えて「手紙の図」にし、寺院を示す「卍」マークは「三重の塔」に改めたので参考にしてほしいと呼び掛けたりしている。

 その後はオリンピック競技関連施設の問題はいろいろと話題に上るが、日本全国を観光地として売り出し、トラブルなどを少なくするためには、現地のローマ字表記を発音どうりに書くことが基本ではないだろうか。

「おー」を「O(お)」と表記する不都合

 筆者は専門家ではないので理論的な議論はできないが、来日外国人も増えた今日では、地名などは発音に努めて近いローマ字表記にする方が、相互の理解を助けることになる。

 特に短い発音と長い発音の区別だけは外国人にもしっかりしてもらえるようにした方が、日本人にも聞き取りやすい。長音の発音が短音にされたのでは、全く異なって聞こえるし、問答しても理解し難く、誤解しやすい。これでは困惑している外国人を助けることもできない。

 某日、日本の英字新聞を読んでいたら、表題に「Osaka」の文字があった。言うまでもなく「大阪」のことであるが、なぜか「オサカ」と思い込んでしまったので、そのオサカはどこにあって、どんな内容の記事だろうかと思いながら少し読み進んだというわけである。

 しかし、これは日本人だから「Osaka」が「大阪」であると分かるが、初めて「Osaka」に接した外国人や、「大阪」の地名を知らない人にとっては、どこまでも「オサカ」という場所であり、「大阪」ではない。

 その外国人から「オサカ」「オサカ」と聞かれても、日本人は「尾坂」や「小坂」、あるいは少々雅趣に富む人であるならば、「長華」などを連想したりするかもしれない。いずれにしても、困っている外国人を助けることはできないに違いない。

 外国人が、たまたま関連した用語で「ツテンカク(通天閣)」や「クイダオレ(食い倒れ)」などのカタコトでも語ってくれれば、日本人も「ああ、大阪のことだ」と気づいて、教えることができるであろう。ともあれ、外国人の発音する「オサカ」が「大阪」に直結することは少ないと思われる。

 管見するとこでは、長く発音する地名などであるにもかかわらず、ローマ字表記では短い発音表示になっていることが実に多いように思われる。

 何年か前、「三丁目の夕日」が話題になった頃、英字新聞には「Sanchome no yuhi」と書かれていた。「サンチョメ ノ ユヒ」としか読めないので、ここでも一瞬戸惑ったことを覚えている。

 少しでも日本語に近い発音となれば「San-choh-me no yuh-hi」とか「San-cho(―)-me no yu(―)hi」のように記述してあれば、日本人の発音に近く、すぐにくみ取れるであろうにと思ったことがある。