国連食料農業機関(FAO)の世界森林資源評価2010(The Global Forest Resources Assessment 2010)によると、世界の森林面積は40億ヘクタールほど。森林の減少の約31%が木材生産を目的にした伐採によるものと推定されている。
2000~2010年に、森林面積は毎年520万ヘクタール(推計値、コスタリカの国土面積とほぼ同じ)ずつ減少しているという。
1990~2000年の年間830万ヘクタール減に比べると、今のところ森林減少速度は低下しているものの、世界で最も減少が大きかったのはブラジルとインドネシアだった。
そんな中、MBM社はインドネシア政府自然保護政策の後援を得て、天然木材の代用品となる素材の開発研究を始めた。インドネシアに育つあらゆる木材や植物を用いて試行錯誤を繰り返した。
その結果、着目したのがアジア人の主食である米の籾殻だった。籾殻は、それまで焼却処分をしていたものを再利用するので原料コストが一切かからない。しかし、製品化するまでには10年もかかったそうだ(シュトイバー氏)。
2009年末より、同社ジャワ島の製作所では、チーク材やイペ材など熱帯林の使用を全面的に取りやめた。長年木材を用い家具製作をしていた現地の職人たちは、取り扱いが簡単で作業も進めやすいリシスタを使い仕事を継続することができると大満足している。
顧客の評判も上々、日本にもまもなく上陸
リシスタ製品を利用している顧客の評判も上々のようだ。

「木材は、時間がたつと色あせや色がくすんだり、しみができるので何かと手入れが厄介。リシスタは、木材に比べて割高だが、色あせも全くなく、水や食べ物のしみもできない。プールサイドのフローリングや家具に最適」と、イタリア・チロル地方でウェルネスホテル・クウェレンホーフを経営するハインリッヒ・ドルファー氏。
同ホテルのウェルネス部門設計担当をしたシュレットラー社プランニング部長メラニー・ブリゲトさんは次のように語る。
「客がテーブルの赤ワイングラスをひっくりかえしてしまったが、しみができなかった。また、海水セラピー時に塩水が飛び散るが、フローリング表面の変形や色あせなどが全くない。プールサイドの床を頻繁にふき取る必要がなくなった、素足で歩いても滑らない」
多くのレストランやウェルネスホテルの経営者たちから喜びの声が届いていると満足顔だ。

ウィーン国際ホテルマネジメント社イザベラ・フレンさんは「リシスタは、持続可能な未来の建築材」と絶賛する。
最後にシュトイバー氏がニュースを1つ教えてくれた。来年1月より和歌山県海南市のガーデン用品販売会社タカショーを通して、リシスタ製品が日本市場へお目見えする予定だという。
うっとうしい梅雨や蒸し暑い夏など湿気が多い日本でも手入れが簡単なリシスタ製品なら気軽に使えること間違いなしだろう。