メディア王として知られる米ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長が、米アップルの「アイパッド(iPad)」などのタブレット端末向け日刊紙を計画していると米国のメディアが報じている。

年末にもベータ版を開始

ニュースは無料か有料か、マードック氏とハフィントン氏が討論

米メディア大手ニューズ・コーポレーションのルパート・マードックCEO〔AFPBB News

 それによると同氏は今年5月のとある深夜にこの構想を思いついた。印刷版は発行せず、課金の仕組みを持つタブレット端末専用の新聞をつくる。同氏は調査を行っており、読者はアイパッドで時間を費やす方が好きだということが分かったのだという。また数年後には携帯電話のように誰もが量販店で安い端末を購入するようになり、タブレットが1人1台の時代になるのもそう遠くはないと考えている。

 メディア報道によると、このプロジェクトはかなり具体的に進んでおり、既に大規模な組織体制がつくられている。例えば傘下のニューヨーク・ポスト紙の編集長ジェシー・アンジェロ氏をプロジェクトの責任者に任命しており、3カ月かけて100人のスタッフから成るニュース編集室を設置した。媒体名は「ザ・デイリー(The Daily)」で、料金は1週間99セント、1カ月4.25ドルという設定。2010年のクリスマス時期にベータ版を開始し、2011年初めにも一般公開するという。

 スタッフには、ニューヨーカー誌のライターや、ニューヨーク・タイムズのベテラン編集者、ABCニュースのプロデューサー、英国の日刊タブロイド紙サンのオンライン版編集者などを起用したほか、動画コンテンツやデザインのスタッフも多数揃えている。音声、動画、写真を多用するリッチメディアの電子新聞が出来上がるという。

英紙オンライン版の購読数はわずか数万件

 しかしこのプロジェクト、マードック会長が思い描くように採算が取れる事業なのだろうか?

 ニューズ・コーポレーション傘下の新聞では、米国の経済紙ウォールストリート・ジャーナルが記事本文の一部を表示し、全文を読むには有料会員への登録が必要な「有料の壁(ペイウォール)」を導入している。