2月12日、北朝鮮が新型中距離弾道ミサイル「北極星2号」を日本海に向け発射した。ミサイルは約500キロメートル飛翔し、実験は成功したと発表された。
公表されている映像を見ると、このミサイルは、トレーラー型車体に積載された発射筒から圧搾空気で射出され、空中で点火するという「コールド・ローンチ」による発射であることから、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の技術が取り入れられていると推測できる。
北朝鮮の技術水準では困難なミサイル発射技術であることから、直接ではなくとも第三国を経由したロシアあるいは中国からの間接的な技術移転があったことが疑われる。とりわけ中国の「巨浪(JL)1」SLBMに似ているという指摘もなされている。
ともあれ、このミサイル実験は、北朝鮮が事前の前触れなしに任意の場所から弾道ミサイルを発射できる能力を獲得したことを示している。北朝鮮のミサイル脅威は、今や格段に上昇したと言わざるをえない(ただし、この重大なニュースは、翌日にマレーシアで起きた金正男暗殺事件によって見事に霞んでしまった)。
10発の核弾頭を積載した大陸間弾道ミサイル
ミサイル実験で言うなら、わが国ではほとんど注目されなかったが、1月31日付けで、米国メディアが中国中央テレビ(CCTV)の画面影像を援用する形で中国のミサイル発射実験を報じている。中国が、10発の核弾頭を積載する、いわゆる「MIRV」(複数個別目標再突入弾頭)化された「東風(DF)5C」大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったというのだ。