12月29日、トランプ次期政権の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長に、マシュー・ポッティンジャー氏(43歳)が内定した。トランプ政権においてアジア政策を取りまとめる実質的な責任者ということになる。
彼は中国政府によって逮捕され、暴行され、アフガニスタンで特殊作戦を指揮した経験を持つ。ポッティンジャー氏ほど異色の経歴を持つアジア政策担当者はこれまでにいない。
ポッティンジャー氏とは一体どんな人物なのか。日本は彼とどう接するべきなのか。以下では彼の経歴と著作から、その人となりや考え方、政治的スタンスを探ってみたい。
まず、彼の経歴を以下の3つの時代に分けて追っていこう。
(1)ジャーナリスト時代
(2)海兵隊時代
(3)退役後
(1)反骨のジャーナリスト時代
ポッティンジャー氏はマサチューセッツ大学で中国研究を専攻し、1998年に「ロイター通信」に記者として就職した。2001年には「ウォール・ストリート・ジャーナル」に転職し、北京特派員として中国各地を飛び回った。
中国では環境汚染問題、汚職問題、新型肺炎(SARS)の流行などを精力的に取材し、栄えある「アジア出版者協会」賞を受賞している。地方での警察によるデモ弾圧に抵抗することもあった。