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戦闘激化の南スーダンで性的暴行120件、PKO要員が見ぬふりか

南スーダンの首都ジュバにある国連施設で警備にあたる平和維持活動(PKO)要員。国連南スーダン派遣団(UNMISS)提供(2016年7月11日提供、資料写真)。(c)AFP/UNMISS/BEATRICE MATEGWA〔AFPBB News

(文:伊勢崎 賢治)

 2000年7月、東ティモール。筆者はここで、ある決断を下した。

 当時私は、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の上級民政官として、同国コバリマ県の県政を指揮する立場にあった。事実上の県知事である。

 前年、住民投票により東ティモールのインドネシアからの独立が事実上決定したが、インドネシア国軍と独立反対(併合維持)派民兵が破壊活動や虐殺を行ったため、国連が事態の収拾に乗り出した。インドネシアは東ティモールの主権を暫定的に国連に移譲し、国連はUNTAETによる本格的な国づくりと治安維持を並行して行う、いわゆる「総括型PKO」が、ここで行われていた。

 筆者が赴任したコバリマ県はインドネシアとの国境に近く、独立反対派民兵によるテロ活動は激しいものがあった。ニュージーランド軍の歩兵大隊約700名、パキスタン軍の施設大隊約700名が筆者の麾下にあり、PKF(国連平和維持軍)として活動していた。

印のついた場所が東ティモール・コバリマ県(出所:Googleマップ)
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「逮捕」から「殲滅」へ

 そんな中、ニュージーランド軍部隊と反対派民兵約15人が遭遇して銃撃戦となり、同軍兵士2名が死亡するという事件が発生した。