先頃、英国の市場調査会社カナリスが、今年4~6月期の世界スマートフォン市場について、プラス成長に回復したと報告したが、別の調査会社である米IDCがこのほどまとめたリポートによると、その度合いはほんのわずかなものだったようだ。
伸び率は0.3%、首位のサムスンは5.5%成長
IDCによると、4~6月期の出荷台数(速報値)は3億4330万台で、1年前からの伸び率は0.3%と、ほぼ横ばいだった。これで世界スマートフォン出荷台数は2四半期連続で成長が見られなかったという。
同社によると、4~6月期は中国市場の減速が、インドやインドネシア、中東といった高成長市場の競争を激化させた。これまで自国市場をターゲットにしてきた中国メーカーが、他国市場に進出しているからだという。
また成熟国市場では引き続き、助成金販売方式から割賦販売方式へと移行しつつある。そして米アップルは買い替え周期の長期化を防ぐため、これまで以上にサービスに重点を置いているという。
4~6月期の出荷台数をメーカー別に見ると、韓国サムスン電子が7700万台(シェア22.4%)で首位を維持し、これにアップルが4040万台(同11.8%)で次いだ。
そしてこのあと、中国ファーウェイ(華為技術)の3210万台(同9.4%)、中国オウポ(広東欧珀移動通信、Oppo Mobile Telecommunications)の2260万台(同6.6%)、中国vivo(維沃移動通信)の1640万台(同4.8%)と続いた。
このうち首位のサムスンの出荷台数は1年前から5.5%増えた。同社は3月に発売した旗艦モデルの新製品「Galaxy S7」「同S7 edge」が成功したことに加え、低価格モデル「J Series」が先進国と新興国市場でともに好調だったという。
アップル、「iPhone SE」好調も15.0%減
一方で、アップルの出荷台数は前年同期から15.0%減少。iPhoneの4~6月期における出荷台数は、過去7四半期で最も低い水準という。
ただし3月末に発売した4インチモデル「iPhone SE」は、先進国や新興国で、初めてスマートフォンを購入する利用者層を取り込んだり、Android端末からの買い替えを促したりした。