国会がもっと与野党伯仲であったなら、安倍政権は危機に陥っていたことだろう。経済再生担当大臣は口利き疑惑で辞任し、原子力行政を預かる経済産業大臣はみずから原子力についての勉強不足を認め、復興担当大臣は過去の下着泥棒疑惑で追及され、環境大臣は放射線量を巡っての発言を謝罪し、あげくには沖縄・北方問題担当大臣が北方領土の1つ「歯舞(はぼまい)」を読めなかったのだからあきれるほかない。
それでも安倍政権は、盤石の体制を築いている。すべて野党が弱すぎるからである。こんな政治が良いはずはない。政治への関心すら弱めてしまう。そんな中で新鮮味はまったくないが、新しい政党が誕生した。
なぜ党名を自分たちで決めなかったのか
3月27日、民主党と維新の党が合流して「民進党」が結党された。代表岡田克也、幹事長枝野幸男、政調会長山尾志桜里の新体制も発足した。
それにしても興ざめだったのは、新党名を公募で決めたことだ。
党名というのは、政党にとってもっとも重要なものである。政党というのは自由な結社である。そこに結集する人々は、共通した目標や理念を持っているからこそ1つの政党を立ち上げることができるのである。明確な理念や目標があれば、おのずと政党名も決まってくるはずだ。