トランプ氏、オハイオで敗北 ケーシック氏が共和党予備選制す

米メリーランド州オクソンヒルで行われた保守政治行動会議で演説する米オハイオ州のジョン・ケーシック知事(2016年3月4日撮影)〔AFPBB News

 3月15日、フロリダ、オハイオ、イリノイ、ミズーリ、ノースカロライナ、北マリアナ諸島で、民主共和両党とも、米国大統領選に向け、予備選、党員集会(コーカス)が行われた。

 この「ミニ・スーパー・チューズデー」で注目を浴びたのが、共和党で代議員を多数総取りできるオハイオ州とフロリダ州。

 共和党は地元をオハイオ州のジョン・ケーシック知事が制し、フロリダ州はドナルド・トランプ候補、総取りのない民主党はヒラリー・クリントン候補が両州で勝利した。

 ジョージ・クルーニー監督・出演の『スーパー・チューズデー 正義を売った日』(2011)は、そんな現実同様、3月15日火曜日、オハイオでの民主党予備選が舞台。

オハイオを制する者は全米を制する

 「オハイオを制する者は全米を制する(As Ohio goes、So goes the Nation)」と言われる地で、クルーニー演じるペンシルバニア州知事モリスが、上院議員と山場を戦う。

 そんななか、モリスの高潔さに惹かれ、広報を務める30歳の主人公は、政界の冷酷さ、そこにからみつくメディアのえげつなさに直面、政界色に染まる人生へと変わっていく。

 選挙のたび、スキャンダルが噴出、政策論争には程遠い醜い中傷合戦が繰り広げられることを我々はよく知っている。ジョン・トラボルタ演じる州知事がその妻ともども、予備選を戦う『パーフェクト・カップル』(1998)でも、早々に、主人公は女性スキャンダルに見舞われる。

 さらに、対立候補は、ベトナム出征拒否など、ネガティブキャンペーンを仕かけ・・・と、どこかで聞いたような話だが、これは、1992年のビル・クリントンの大統領選挙キャンペーンをベースにした著作を映画化したポリティカル・コメディ。

 同じ戦いでのスタッフの奮闘ぶりを追ったドキュメンタリー『クリントンを大統領にした男』(1993)もあるから、比べてみると面白い。

 日本のシステムに慣れていると、米国の候補者選びの過程がどうにもピンとこない。「予備選」とは言うが、実際、選挙となる「予備選(Primary)」だけでなく、「コーカス(Caucus)」と呼ばれる党員集会もある。