仏農業見本市、波乱の幕開け 抗議する農業従事者に逮捕者も

仏パリで開幕した国際農業見本市の会場で、オランド大統領が来訪した日に、抗議する人々に破壊された農務省のブース(2016年2月27日撮影)。(c)AFP/JOEL SAGET〔AFPBB News

 パリから車で30分も走ると、緑色の鮮やかな田園風景が目の前に広がる。「グルメ大国」フランスを支えているのが、豊富で新鮮な食材を提供できる自給自足100%の農業だ。

 だが、そのフランスの農業が危機に見舞われている。

国を挙げて開催する「農業見本市」

「農業見本市」(正式名は「農業国際見本市:Salon international de l’agriculture」)を訪問したフランソワ・オランド大統領は農業従事者たちから激しいブーイングを受け、再選の可能性が限りなくゼロに近づいてしまった。

 “農業大国”フランスが国を挙げて開催する重要行事、農業見本市は、毎年2月末から3月初旬の1週間にわたって開催されており、今年は2月27日から3月7日まで開催された。

 会場のパリ・ヴァンセンヌの広大な展示場には、全国から食肉用の牛、豚、ニワトリ、そしてヒヨコなどが何百頭とやって来る。その鳴き声と動物の匂いなどで、さながら農場にいるような気分になる。