フランスで2017年の大統領選を前に、フランソワ・オランド大統領率いる社会党政権が2月11日に“最後の内閣改造”を実施した。
「長年のライバル」と言われたローラン・ファビウス外相が去って、盟友のジャンマルク・エロー前首相が外相として返り咲いた。
また、フルール・ペルラン文化・通信相が更迭され、後任にはエリゼ宮(仏大統領府)の文化顧問、オウドレ・アズレイが就いた。アズレイは、オランド大統領と半同棲中の女優ジュリー・ガイエの親友である。
通常はオランドべったりの「ルモンド」も、1面で「大統領の大臣」との見出しでこの人事を批判した。アズレイは政治経験は皆無だが、メディア界にはコネが多い。オランドは大統領選を見据えて、マニュエル・ヴァルス首相の反対を押し切ってアズレイを登用したというのだ。
今回の内閣改造によってオランドの意のままの政府が誕生した。メディアからは「オランド絶対君主制」の声も聴かれる。
すでに社会党左派のアルノ・モントブール経済・再生産・デジタル相ら3人も再任されずに、体よく追放されている。彼らは2015年8月の内閣改造でオランドの経済政策を批判していた。クリティアーヌ・トビラ法相が辞任したのを最後に同派は一掃され、政府内にはオランドやヴァルスに反対する声はもはやない。