米HP情報漏えい調査問題で公聴会 - 米国

マーク・ハード前CEO〔AFPBB News〕

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 企業買収やコスト削減といった施策で、ハード前CEOは同社を世界最大のIT企業に育て上げた。アポテカー氏はそうした優秀な経営者の後任として重責を担うことになる。

 HPのロバート・ライアン取締役は「アポテカー氏の戦略的思考、テクノロジーに対する情熱、広範に及ぶ国際経験は、まさに我々が新CEOに求めていたもの」と話している。

 またアポテカー氏は「多種多様の製品やサービスをワンストップで提供する」というハード氏の戦略を踏襲することになるという。

オラクルとの競争さらに激しく

 一方で会長に就任するレイ・レイン氏は米オラクルで社長や最高執行責任者(COO)を務めた経歴を持ち、米IBMや、後にHPが買収したITサービスの米EDSにも在籍していた人物だ。

 ソフトウエア出身のアポテカー氏とレイン氏の起用は、HPがこれまで得意でなかった分野を強化することにつながり、先頃ハード氏を社長として雇い入れたオラクルとの競争がさらに激しくなるとウォールストリート・ジャーナルの記事は伝えている。

 なお同紙によると、HPは今回の人事で、社内、社外にかかわらず広範に候補を探していたようだ。

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先頃ノキアのCEO兼社長に就任したステファン・エロップ氏〔AFPBB News

 社外では、米NCRのCEOや米IBMの上級副社長、あるいは米マイクロソフトの元幹部で先頃フィンランド・ノキアのCEO兼社長に就任したステファン・エロップ氏などが挙がっていたが、どの人物もHPの経営には興味がなかった。

 一方で、社内ではパソコン部門やサーバー部門の幹部が有力視されていた。今回の人事をきっかけにこうした幹部が同社を去るのではないかとの観測がさっそく出ているという。