中国株安に呼応して世界金融不安が急速に高まっている(写真はイメージ)

(1)市場の反乱に市場規制・市場否定で対応する中国

悪循環再作動へ

 中国で株と人民元の連鎖崩落が止まらない。上海、深セン市場は7%下落リミットとするサーキットブレーカーを1月4日に導入したが即日7%下落でブレーカー作動、3日後の7日には取引開始から30分後にブレーカー作動、終日取引停止になった。

 中国株安に呼応して世界株式も新年に入り急落開始、世界金融不安が急速に高まっている。世界株安の要因としては北朝鮮の核実験、サウジとイランの国交断絶、ロシアトルコ間の緊張など地政学不安の高まりも指摘されているが、世界株安の主因は圧倒的に中国であろう。株式ととともに年初早々人民元安も進行している。

 オフショア市場の下落に先導される形で、当局の管轄下にあるオンショア相場も下落、当局の介入はあるものの、人民元の先安観が強まっている。

 また2014年6月にピークを付けた外貨準備高の減少傾向には歯止めかからずむしろ加速、2015年12月は過去最高の単月で1079億ドルの減少になった。中国の最近の経常黒字は月平均200億ドル程度なので、差し引き月間1300億ドル程度の純資金流出が起きているのである。(1)中国人による対外直接投資の増加、(2)外国人による対中投資の回収、(3)中国人の対外資本逃避、等が考えられるが、中心は(2)と(3)、つまり急速に中国から資本が逃げ始めているのである。

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