新たな年が明け、今年1年、どういう1年にしようかと思いを巡らしていらっしゃるのではないだろうか。
新年の目標を明確に立てる人もいれば、立てない人もいる。立てて意識し続けることができる人もいれば、意識し続けられない人もいる。
1年を通して目標を意識し続けることは簡単ではないかもしれない。しかし、目標を持ち続けることで人の意識の状況はずいぶん変わり、その結果、行動もその後の展開も大きく変わる。
人間の脳は脳幹網様体賦活系(のうかんもうようたいふかつけい)という部位で視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚からインプットされる五感情報の取捨選択を行っている。
情報の重要度を脳が自動判定
人間は五感を通じて絶えず情報をインプットしているが、その情報のすべてを同じレベルで同時に認識し続けると情報がオーバーフローしてしまう。
そのため、脳幹網様体賦活系で重要な情報と重要ではない情報との選別が行われる。重要だと判断された情報は意識に残るが、重要ではないと判断された情報は五感で感じたとしてもスルーされ、意識に残ることはない。
例えば、この記事を読みながら靴下が足に触れている感覚を意識していたり、かすかに聞こえる空調の音を意識していたりすることはないだろう。
ほぼすべての意識はこの記事の画面に向けられた視覚情報に向けられているはずである。このように五感からのインプット情報を取捨選択しているのだが、強い関心を持っている情報に関しては重要情報だと判断し、優先的に意識にあげてくれる。
新しいスーツを買うという目標を考えている時、街を歩いていても他の人のスーツが目につくようになる。
携帯電話を買い替えようとしている時は携帯電話のCMが目に留まりやすくなったり、他の人の携帯電話が目につくようになったりするようになる。こういった経験はおありではないだろうか。