フェイスブックもLINEも、どうも好きじゃない。ツイッターだけはアクティブに使っていたけど、「自分の思考の発信用」という意味合いが強く、コミュニケーション用ではなくなっていたし、今ではほとんど見ていない。

 多くの人々は今、「繋がること」に大きな価値を求めているように思う。「繋がっているという状態」に、そして「そのことを常時確認し続けられる環境」に、安心感や人間的な親しみを覚えるのだろう。

 しかし僕は、やはり「繋がった上でどうするのか」という点が大事に思えてならない。それは、ビジネスだけに限らない。歴史や芸術や伝統の継承という点でも、国際化が叫ばれる世の中では諸外国との関わり方という点でも重要だし、日常生活のさまざまな点で関わってくることだろう。

 そこで今回紹介するのは、繋がった後の、その先のステージを感じさせる3冊だ。

価値に気付く能力を研ぎ澄ませ

マーケット感覚を身につけよう 「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』(ちきりん著、ダイヤモンド社)

『マーケット感覚を身につけよう 「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』(ちきりん 著、ダイヤモンド社、1500円、税別)

「おちゃらけ社会派ブロガー」としてネット上でよく知られているちきりん氏が、これからの世の中を生きていくのに必要だと主張する「マーケット感覚」について、それがどんな能力でどう身に付ければいいのかなどを指南する本だ。

 本書で「マーケット感覚」とは、こんな風に定義されている。

<商品やサービスが売買されている現場の、リアルな状況を想像できる能力>

<顧客が、市場で価値を取引する場面を、直感的に思い浮かべられる能力>

 これだけだと少し伝わりにくいだろう。分かりやすく伝えるためにちきりん氏は冒頭で、「ANAのライバルは?」という問いを読者に投げかける。この事例は、非常に面白い。