10月15日、日本商工会議所(日商)は新卒採用のスケジュールについて、面接などの選考解禁日を8月から6月に繰り上げるべきだとの提言をまとめた。
これまで4月だった選考解禁日を8月に後ろ倒しにした狙いは、就職活動の早期化を食い止め、学生を学業に専念させるためだった。
だが、日程の後ろ倒しが3年次の夏のインターンシップを誘発し、大手企業の選考解禁の8月まで就職活動を続けることとなり、1年以上も就職活動に時間を割かれることになってしまった。
皮肉にも、かえって「早期化・長期化」を招く結果となり、傘下の中小企業ではこれまで以上に採用に苦戦する企業が続出している。
来年は暫定的に「6月」解禁か
これを受けて、経団連の榊原会長も「8月は遅すぎる。どこまで早めるかだ」と発言し、日商の提言を参考にするとした。
多分、経団連自身も「6月」がひとつの落としどころと見ていたであろうと思われる。7月は前期試験を実施する大学が少なくないことを考えると、6月は無難な選択だといえる。
この期に及んでは、採用広報解禁の3月までも変更することは難しく、変更が可能なのは選考の解禁日くらいだ。「4月」や「5月」では広報期間がなさすぎる。
ただし、仮に選考解禁日が6月に繰り上がったとしても、それも1年限りのことになるであろう。2018年卒(現2年生)の採用に向けては、抜本的な見直しをした上で、早々に変更を告知していくことになろう。