安保法案が参院本会議で可決、成立

参議院本会議場で、安全保障関連法案が可決され、拍手する議員ら(2015年9月19日撮影)。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA〔AFPBB News

 9月19日、共産党は安保法制(共産党は「戦争法案」と呼んでいる)廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定(2014年7月1日)の撤回に絞った政府構想を発表した。

 志位委員長が発表した「『戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府』の実現をよびかけます」では、その趣旨を次のように述べている。

「この連合政府の任務は、集団的自衛権行使容認の『閣議決定』を撤回し、戦争法を廃止し、日本の政治に立憲主義と民主主義をとりもどすことにあります。

 この連合政府は、“戦争法廃止、立憲主義を取り戻す”という一点での合意を基礎にした政府であり、その性格は暫定的なものとなります。私たちは、戦争法廃止という任務を実現した時点で、その先の日本の進路については、解散・総選挙をおこない、国民の審判をふまえて選択すべきだと考えます」

全区立候補方針を転換する共産党の「政府構想」

 ここにもあるように、今回の共産党の提案は、他の野党に対して安保法制廃止の一点で連立政権を作ろうという提案である。通常、政府構想と言えば、経済政策や財政政策、社会保障政策、農漁業政策、外交政策等々、広範囲な分野での政策の一致を必要とするものである。だがこの政府が目指すのは、安保法制廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回のみである。