中国の習近平国家主席が9月22日から米国を訪問し、25日にオバマ大統領との米中首脳会談に臨む。オバマ政権としては、与党の民主党内も含めて米国内に高まる中国への反発を考慮しながら、一方で米中協調の側面も明示せねばならず、難しい対応を迫られている。
米国ではこのところ、中国の(1)軍拡および南シナ海や東シナ海での領有権拡張の動き、(2)米国の官民に対するサイバー攻撃、(3)中国国内での人権弾圧――などに対する不満が改めて高まってきた。そんな時期に習主席が来訪することは、ワシントンでも非常に強い関心を集めている。
対中関係まで失敗させたくないオバマの本音
まず大統領選挙予備選キャンペーンでは、これを機に共和党候補がこぞってオバマ政権の対中政策が弱腰で融和的に過ぎると非難し、習主席の国賓待遇を見直すべきだという要求まで出した。
議会では、習氏訪米に合わせて米中関係の現状を探る各種の公聴会が開かれた。特に議会と政府が合同で中国の人権問題などを調査する「中国に関する議会・政府委員会」は、習氏の米国到着に合わせて大規模な公聴会を開催し、中国当局に弾圧される側の代表たちを招いて証言を聞いた。