中国の習近平国家主席は9月にアメリカを訪問し、オバマ大統領と公式会談を行う予定である。世界情勢は不確実性が増しており、このタイミングでの米中の首脳会談が特別な意味を持つものになることは間違いなさそうだ。
2010年、中国経済は日本を追い抜いて世界で2番目の規模を誇るまでになった。米中は「G2」として世界を牽引するようになるとも言われ、中国はアメリカに対して「新型大国関係」の構築を提案している。しかし、新型大国関係が具体的に何を意味するのかははっきりしない。アメリカは中国とどのように向き合うべきかを模索しているが、結論は出ていない。
中国が提案する新型大国関係にストップをかけたのは、ロシアによるクリミアの併合である。ロシアは、親ロシア政権が倒されたクリミアに進入し、事実上クリミアを併合した。それに対して欧米諸国は対ロシア制裁を強化している。厳しい経済制裁を受けているロシアは中国に急接近し、中露関係はいっそう緊密になった。一部の研究者は現在の世界情勢を「新しい冷戦構造」とまで表現している。