エアコンがすごいことになっている。部屋の温度を上げ下げするのは当たり前。今や、部屋にいる人の手足の体温を0.1℃単位で測り、そこを目がけてピンポイントに快適な風を送るのだという。
もはや体温計だ。快適さと省エネ性を追求した結果ということだが、そもそもどうやって室内の「人」を識別しているのか。複数の人は区別できるのだろうか? そこまでピンポイントに正確な温度を測れるものだろうか。そうか、人を検知するセンサーと、温度を検知するセンサーを両方使えば・・・。
ところが、三菱電機の「霧ヶ峰」は違った。「ムーブアイ」というたった1つのセンサーで、人も温度も見張っているのだという。
最近のエアコンはどこまで高機能化しているのか。その技術的なメカニズムとは。この先、どこまで進化していくのか。
そこで三菱電機 静岡製作所を訪ね、ルームエアコン製造部 先行開発グループの松本崇さん、ルームエアコン販売企画グループの松川雄亮さんに話を聞いた。
「ムーブアイの生みの親」である松本さんの技術開発に懸ける思いは、きっと部屋の温度を少し上げていたかもしれない。熱い技術者魂がほとばしるインタビューをぜひお読みいただきたい。
エアコンは冷暖房機能 “プラスアルファ”の勝負へ
──「霧ヶ峰」は人の表面温度を0.1℃単位で測っているとのことですが、なぜそんなことが可能なのか、そして、なぜそこまで追求するのかを知りたくて今日はやってきました。まず、エアコン市場はどのように変わってきているのでしょうか。現在はどういったステージにきているのでしょうか。