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ネットの世界に「YouTuber（ユーチューバー）」なる人たちが現れ、これほどの影響力を持つようになるとは夢にも思わなかった。
YouTubeが登場して間もないころ、私が最初に夢中になったのは音楽コンテンツだった。YouTubeには、国内外のありとあらゆるミュージシャンのプロモーションビデオ、ライブ映像、テレビの音楽番組の映像があふれており、それらがすべて無料で見られることに衝撃を受けた。会社から帰宅してYouTubeを見始めたらいつの間にか明け方になっていた、ということもしょっちゅうだった。
そのように、YouTubeとは元々私にとって既存のエンターテインメント動画を視聴するメディアだった。YouTubeのトップ画面でもそういう動画ばかりがフィーチャーされていたと思う。しかし、いつ頃からだろうか、YouTubeに変化が見られ始めた。最初からYouTubeにアップすることを目的としたオリジナル動画が増え、人気を博してきたのだ。プロの映像クリエイターだけではない。素人もどんどん動画を作って投稿するようになった。「YouTubeがブログのように使われ始めてきたな」と思っていたら、彼らはいつの間にか広告収入で生計を立てるプロになっていた。いわゆるYouTuberである。
YouTuberの人気は、いまやテレビタレントに引けを取らない。若者への影響力は絶大なものがある。米国のエンターテインメント情報サイトが行ったアンケート調査では、十代の若者に影響力のある人物として選ばれたトップ5が全員YouTuberだったという。
