ウィリアム王子、NHKでかぶとを試着 福島の屋内運動施設も訪問

日本を訪問し福島県にも視察に行った英国のウィリアム王子。写真はNHKを訪れた時のもので、女優の井上真央さんと一緒に(2015年2月28日)〔AFPBB News

 被災地、特に福島では、この3種類の人間の立場は非常に難しいものになっています。住民の不安を払拭するために必要とされる一方で、この4年間にこれらの職業には悪いイメージもまたついてしまいました。

有識者=社会的地位だけあって現場を知らない人
専門家=知識だけあって行動を伴わない人
研究者=人を人間扱いしない人

 そのような印象を持たれる住民の方々も、大勢いらっしゃいます。

 そのようななか、福島では新しい形の知的活動を追求する人々が増えています。とくに、行動する30代、「ぶつかる」ことを始めた専門家たち、この2つの集団が今、福島に新たな「道」を作りつつあります。

行動する30代

 今、福島「留学生」がアツい。そのように感じるのは私だけではないでしょう。様々な形で外部から福島に移り住んだ若者が今、福島と関わることで自身も変化し、ポジティブな福島の形を世界へ発信しています。

 たとえば、震災直後から南相馬市に入り、住民の方の内部被曝・外部被曝検査システムを立ち上げた坪倉正治医師。

 彼の専門は血液内科ですが、現地で暮らすうちに、一番の問題はがんよりもコミュニケーションである、ということに気づき、住民の方に放射能についての分かりやすい知識をフィードバックする活動を4年間続けています。

 元東京電力のたたき上げ職員の吉川彰浩さんは、震災の後、東電を退職して「アプリシエイト・フクシマ」を立ち上げ、次世代へと託せる福島のふるさと作りを目指して活動されています。

 住民の方が原発事故後の福島と「共存」するためには、福島第一原発の現状を皆が知らなくてはいけない。その信念のもと、ご自身の人脈を生かして、一般の人々の福島第一原子力発電所の視察ツアーを初めて組みました。

 現在はその活動をさらに教育支援、健康支援にまで手を広げ、地域創生に励んでいます。