ヒラリー・クリントン前国務長官のメール一部公開 米国務省

米首都ワシントンで開催された討論会に参加したヒラリー・クリントン前米国務長官(2015年3月23日撮影、資料写真)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM〔AFPBB News

 米国大統領選挙への動きがあわただしくなってきた。

 民主党の本命候補と見られてきたのは、いわずと知れたヒラリー・クリントン氏である。ところがここに来て、クリントン氏の前途に黒い影が広がってきた。国務長官時代の不透明な部分や政治家としての不正献金の疑惑など負の要因が積み重なり、民主党内で同氏に正面から挑戦する候補たちが出始めたのだ。

「新しいリーダーシップ」を強調するオマリー氏

「ヒラリー・クリントン候補の民主党指名獲得は絶対ではない」──5月30日のマーティン・オマリー前メリーランド州知事の大統領選出馬表明によって、こんな認識が一気に党内に広まった。

 オマリー氏は現在52歳、首都ワシントンのすぐ北に隣接するメリーランド州の知事としてすでに全米に知られた存在で、クリントン氏の67歳に対して顕著な若さを印象づける。

 米国大統領選挙は2016年11月に本番の投票が行われるが、予備選は同年2月のアイオワ州の党員大会、あるいは同月のニューハンプシャー州での予備選挙から本格的となる。民主党内では、これまでクリントン氏の人気や実績には誰もかなわないと見られ、正面からチャレンジする動きは出てこなかった。しかしオマリー氏の出馬表明はクリントン氏への明らかな挑戦として受け止められている。