2015年ミラノ国際博覧会の日本館

 5月1日より10月31日まで、イタリアのミラノで国際博覧会(万博)が開催されています。博覧会テーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを」。世界が直面する「食」を巡る問題にどのように対処していくのか、各国の取り組みや姿勢が示されています。

 大きな論点は、世界の人口(約72億人と言われています)の増加に対し、どのように食料の生産性を上げて「食べられない」貧困層を減らしていくか、そして、先進国に特に多いフードウェイスト(廃棄)やフードロス(未利用)をいかになくしていくか、というものです。

厳しい環境をイノベーションで乗り越える中東諸国

 筆者が現地での展示を見た限り、大きく2つのアプローチがある点が興味深く思えました。

 1つめは、広大な国土を持つアメリカのアプローチです。東西南北に広がる土地の大きさと気候特性を生かし、農業生産を大規模に世界から受託しようというものです。アメリカのアプローチからは、世界の食の「供給基地」になろうという強い意気込みが見て取れました。