5月7日、衆院憲法審査会で初の討論が始まった。
この場で、船田元・自民党憲法改正推進本部長は、「緊急事態条項」「環境権をはじめとする新しい人権」「財政規律条項」の3点を優先的に議論してはどうか、という提起を行った。この3点は、2014年11月の自由討議で、多くの党が前向きな姿勢を示した条項である。
しかし、自民党が本当に改正したい、いわば“本丸”は憲法9条である。
船田氏自身、「9条の改正についてはみなさんの関心が高いと思いますけれども、9条の改正は憲法改正の中心のテーマだと思っております。しかし9条に関しましては、その改正の中身も含めて国民の間では世論が大きく二分されている現状にありますので、国会の内外においてさらに慎重な議論を行わなければいけないと考えております。ですから、9条の改正は2回目以降の改正において手がけることになると思います」(4月28日記者会見)と語っている。
なぜ、この“本丸”から堂々と議論しないのか、はなはだ疑問である。