今やスマートフォンは世界の携帯電話販売台数の3分の2を占めており、この市場はますます拡大している。
そうした中、これらの端末に部品を供給しているメーカーもその恩恵を十分に受けていると思われるが、中には厳しい状況に置かれている企業もある。
スマートフォン向け半導体で世界最大手と言われる米クアルコムだ。
中国で過去最大の制裁金科される
米ウォールストリート・ジャーナルによると、クアルコムの利益の約3分の2は無線通信関連特許の使用料。
だがこの事業モデルが中国独占禁止当局の調査対象となり、今年2月、同社は無線通信市場での地位を乱用し、価格の吊り上げなどに関与したと、当局から認定された。
クアルコムは中国の独禁法に違反したことを認めていないが、60億8800万人民元(約9億7500万ドル)の罰金を支払うことなどを条件に当局と和解した。この金額は同国独禁法違反の制裁金として過去最大という。
こうした多額の費用などが響き、同社の今年1~3月期の決算は、純利益が1年前から46%減少した。
打開策は中国スマホメーカーのグローバル化支援
そうした中、クアルコムは、海外進出を図る中国スマートフォンメーカーを支援する部門を設置したと報じられている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、同社は今年3月までに、深センに中国スマートフォンメーカーと海外市場を結びつけるための事業部門を設置した。