米アップルは今月24日に腕時計型ウエアラブル端末「Apple Watch」を発売するが、米国の市場調査会社IDCがこのほどまとめたリポートによると、ウエアラブル機器はこうした手首に巻いて装着するタイプの製品が世界市場を牽引していくという。
今年の世界出荷台数、2.3倍の4570万台に
同社が予測する、ウエアラブル機器の今年の年間出荷台数は4570万台で、昨年実績から2.3倍になる見通し。
このうち、リストバンド型、ブレスレット型、腕時計型といった手首に装着するタイプ「リストウエア」の出荷台数は4070万台で、ウエアラブル市場全体の89.2%を占める。この傾向は今後も変わらず、4年後の2019年も80.4%と、高い比率を維持すると同社は見ている。
IDCによると、ウエアラブル機器にはこのほか、クリップやストラップなどで体の一部に装着する「モジュラータイプ」、めがね型などの「アイウエアタイプ」、シャツや靴下、帽子などに取りつける「衣服タイプ」、イヤホンが進化した形の「イヤウエアタイプ」がある。
だが、この中で最も出荷台数が多いモジュラータイプでも、今年は300万台に届かず、市場全体に占める比率は6%以下という。そのほかはいずれも100万台以下で、比率は最大2%といった程度。ウエアラブル機器の出荷台数は、リストウエア型が圧倒的に多いと同社は見ている。
より高機能、高価格の機器にシフト
また同社は、「アイウエアタイプは、法人市場のうち、特定の産業分野で受け入れられる」と述べている。米グーグルの「Google Glass」のような、めがね型端末は当初一般消費者向け製品としてさほど普及しないと見ているようだ。
同社によると、ウエアラブル市場をこれまで牽引してきたのは、歩数や距離、心拍数などを記録、管理するフィットネスバンド機器。しかし、この種の機器は最近、一部の市場でスマートフォンとセット販売されており、価格が急速に下落している。