本記事は1月30日付フィスコ企業調査レポート(泉州電業)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 寺島 昇

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デリバリー体制とオリジナル商品に強み、業績の更なる拡大へ

 泉州電業<9824>は電線の総合専門商社で独立系では国内トップ。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約2万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制に強み。自社開発のオリジナル商品で差別化を図る。

 2014年10月期の業績は、売上高が前年同期比8.8%増の75,931百万円、営業利益が同28.3%増の2,485百万円、経常利益が同25.0%増の2,835百万円、当期純利益が同26.2%増の1,663百万円となった。売上高、各利益ともに期初予想を上回り、商品別では特に電力用ケーブル、非電線が好調であった。

 2015年10月通期の連結業績は、売上高が前年同期比1.8%増の77,300百万円、営業利益が5.8%増の2,630百万円、経常利益が同1.6%増の2,880百万円、当期純利益が同1.0%増の1,680百万円を見込む。足元の業界環境に比べて控えめの予想と思われ、増額修正の可能性が高い。同社では付加価値の高いオリジナル商品の開発強化と、現在売上高の4%程度にとどまっている海外向け売上高比率を中期的に30%まで引き上げることで、業績の更なる拡大を目指している。

 財務体質は良好であり、加えて同社は「今後は資本効率を改善し、ROE6%を目指す」と述べている。その第一歩として2014年10月期の期末配当を18円に増配し、年間配当を34円(2013年10月期32円)としたのに続き、2015年10月期の年間配当予想を36円としている。今後、更なる増配や自社株買いなどの資本効率の向上に向けた取り組みを進めていけば、同社株の魅力度は更にアップするものと思われる。

Check Point

●自動車・エレクトロニクス業界の生産ライン向けが主力
●好調な需要により増収、利益は2ケタの伸び
●売上高1,000億を目標にシェア拡大・営業基盤強化に注力

会社概要

業界トップクラスの独立系電線商社

(1)沿革

 同社は電線の総合商社である。その歴史は古く、1947年に「西村電気商会」として設立された後、下表に見られるように全国へ業容を拡大してきた。2014年10月末時点では従業員数497名、国内連結子会社4社、海外連結子会社4社(タイ、中国、フィリピン)、国内事業所16ヶ所を擁する業界トップクラスの独立系電線商社である。