本記事は3月24日付フィスコ企業調査レポート(ワールドホールディングス)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 佐藤 譲

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14/12期はファクトリー事業が好調、不動産事業も急拡大

 ワールドホールディングス<2429>は、「人材・教育ビジネス」「不動産ビジネス」「情報通信ビジネス」を3つの事業を柱とする持株会社。製造派遣・請負では業界トップクラス。不動産事業ではマンションデベロッパーから総合不動産事業へと業容を拡大中。

 2014年12月期の連結業績は、売上高が前期比21.9%増の68,829百万円、営業利益が同76.8%増の3,748百万円と好調な決算となった。スマホ関連の電子部材やeコマースの物流拠点を中心にファクトリー事業(製造請負・派遣)の好調が続いたほか、不動産事業も好調な首都圏に加え東北圏の初売上げおよび戸建てや戦略的な土地売却により大きく伸長した。

 2015年12月期は、売上高が前期比24.5%増の85,677百万円と2ケタ成長が続くものの、営業利益が同0.3%増の3,761百万円と横ばい水準にとどまる見通し。人材不足が深刻化するなかで、ファクトリー事業を中心に人件費や採用費が増加するほか、不動産事業では販売構成比の変化や建築コストの上昇により、収益性低下を見込んでいる。

 中期5ヶ年計画の最終年度となる2016年12月期は、売上高1,000億円、営業利益50億円、ROE20%以上を目標に掲げ、現段階ではほぼ射程圏内にあると言える。また、2017年以降の成長戦略として、新たに中国に製造請負の合弁会社「蘇州英特科製造外包有限公司」を設立しており、将来的な収益貢献が期待される。

 株主還元策としては、配当性向で20%以上を基準として増配を継続していきたい考え。2015年12月期の1株当たり配当金は前期比0.6円増の25.3円(配当性向20.0%)を予定している。

Check Point

●2014年12月期は好決算で着地、売上高と利益は過去最高を更新
●不動産やファクトリー事業をけん引役に2ケタ増収を継続へ
●売上高はほぼ計画どおりに進捗、営業利益は上振れして推移

事業概要

人材・教育、不動産、情報通信ビジネスの3本柱で事業展開

 同社は1993年2月に北九州市にて設立。業務請負業(アウトソーシング)からスタートし、現在では「人材・教育ビジネス」「不動産ビジネス」「情報通信ビジネス」の3つを柱とした事業展開を進め、2014年7月には持株会社体制に移行した。各ビジネスユニットと子会社は図のとおりとなる。

 「人材・教育ビジネス」(人材派遣・業務請負)では、研究開発から設計・生産技術、製造、物流、販売、アフターサービスと、ものづくりの川上から川下に至るまで、ほぼすべての工程において事業を展開しており、特に製造派遣・請負業務では国内トップクラスの規模を誇っている。