7月22日、厚生労働省は長妻昭厚生労働大臣の出席のもと、「政策コンテスト」の第2次(最終)審査を行いました。
政策コンテストとは、2011年度の新施策のアイデアを全国の厚労省職員から募集し、優秀なアイデアは施策として実現しようというものです。
審査の結果、医療関係では2つの政策が最終候補に残りました。1つが「対医療機関等に対する指導監査部門の統合等」、そしてもう1つが「保険医療指導監査部門の充実強化」です。このうち、前者が優秀賞を獲得しました。
「医療機関の指導監査をもっと強化しよう」という意思表明か?
奇しくも、2つとも医療機関に対する指導監査部門を強化しようという内容です。
この指導監査部門とは、以前、コラム「悪意の『不正請求』を行っている医師なんていない」で取り上げた、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)や国民健康保険団体連合会による医療機関に対する毎月のレセプト審査とはまた別の部門です。
医療業界では俗に「Gメン」とも呼ばれる仕事で、医療機関の指導・監査、および場合によっては保険医療機関の指定取り消しなどを行う部門のことです。
前者の政策「対医療機関等に対する指導監査部門の統合等」が問題としていたのは、現在、指導監査を行う際に、特定機能病院は地方厚生局、それ以外は都道府県などが実施するなど縦割りで行っているため、横の連携がうまく取れず、情報共有が不十分という点でした。
また、後者の政策「保険医療指導監査部門の充実強化」は、捜査のプロである警視庁あるいは警察庁の人員を厚労省に出向という形で受け入れようというものです。捜査のプロが指導監査を行えば、不正請求の告発が円滑化されるという提案でした。
私はこれらの政策に意味がないと否定したいわけではありません。
しかし、厚労省全職員が参加した政策コンテストにおいて、医療関係で最終選考に残ったのはこの2つだけだったのです。