今月2日のじゃかるた新聞によれば、日本商工会議所と日本経済団体連合会が、2月、4月と相次いでインドネシアに大型経済使節団を派遣する。

 1つの国に相次ぐ派遣は異例とのことで、日本は西ジャワ州のチラマヤ新港建設や電源開発などのインフラ整備および海洋政策や電子政府構想への協力を通じ、両国の経済協力関係強化を目指している。

インドネシア大統領にスラム出身の改革派ジョコ氏

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領 ©AFP/ROMEO GACAD〔AFPBB News

 しかし、現地ではジョコ・ウィドド(ジョコウィ)新政権の日本側に対する要望・期待に関し、これまでの政権の立場と異なることが鮮明になっている。

 例えば、チラマヤ新港(西ジャワ州)の建設計画では、日本側がODA資金の活用を提案しているのに対し、ジョコウィ新政権は受益者たる民間企業が資金負担すべきとし、日本からの援助はジャワ島以外で希望している等、食い違いが明らかになってきている。

 どうやらインドネシア政府は資金を出したくなく、受益者負担で日系企業が民間でやるべきだと主張しているようだ。日本の常識では、例えば新港の土地代までも民間企業が負担すべきとの考え方には違和感があるだろう。

インドネシアのインフラ開発に必要な膨大な資金と技術

 中長期的な視点から見れば、インドネシアはインフラ開発に莫大な資金と技術が必要となる。現状、発電や交通インフラが不足しており、世界銀行データでは、インドネシアの物流効率は世界で第53位と低迷し、マレーシア(第25位)やタイ(第35位)に大きく遅れをとっている。

 今月、国家開発計画庁は5500兆ルピア(約51兆5千億円)規模のインフラ開発5カ年計画をとりまとめ、それが16日に大統領令として確定した。出力計3500万キロワットの発電所や24カ所の新港整備、道路や水処理インフラなど多岐にわたるものだ。