「こんなことをしていたらテロリストが増えるだけ」
米バラク・オバマ政権が特定の中東諸国で進めているテロ掃討作戦は、効果を上げるどころかテロリストを助長させるだけだと、米中央情報局(CIA)の元分析官が警鐘を鳴らしている。
地上軍の撤退後ドローンによる攻撃が活発化
CIAに27年間勤務したレイ・マクガバン氏は、特に無人攻撃機ドローンによる誤爆や民間人を巻き込む攻撃が反米感情を高めており、負の連鎖が拡大していると述べる。
ドローンによる攻撃は中東諸国でも特にアフガニスタン、イラク、パキスタン、イエメンで活発で、米政府は実態を公表していない。そのため、どれほどの規模でドローンによる攻撃が行われているのか、正確な情報は外部に伝わらない。
オバマ大統領は以前からアフガニスタンとイラク両国から地上軍を撤退させ、中東諸国での戦闘にはできるだけ関与しない意向を表していた。だが大規模な地上軍を投入する代わりに、ドローンでの攻撃は続けているのだ。
しかも米国が軍事関与していないと思われているパキスタンとイエメン両国で、ドローンが使われてきた。マクガバン氏が説明する。
「パキスタンやイエメンで無人攻撃機ドローンを出動させているのはCIAです。なぜ米空軍が投入されないのか分かりますか。米国は両国とは公には交戦していないため、米空軍が動くと主権侵害とみなされるからです」
「明らかに国際法に抵触します。しかしCIAであれば『極秘作戦』として隠密行動がとれます。もちろん公表する義務はありません」