IT専門の市場調査会社、米ガートナーと米IDCが1月12日にそれぞれ公表したパソコン市場に関するリポートによると、昨年10~12月期における世界のパソコン出荷台数には、大きな落ち込みは見られず、市場は安定化しつつあるという。
「消費者は徐々にパソコンに戻りつつある」
ガートナーの統計では出荷台数が8370万台で、1年前に比べ1%増加した。IDCの統計では8080万台で、同2.4%減少した。
また昨年1年間の出荷台数は、3億1590万台(ガートナー)、3億860万台(IDC)で、それぞれ前年比で0.2%、2.1%減少した。
両社の統計には、米マイクロソフトの「サーフェス・プロ(Surface Pro)」などウィンドウズベースのタブレットPCや、着脱式キーボード付き機器を含めるか否かといった違いがあるが、その傾向は概ね一致している。
両社が1年前に公表した2013年の出荷台数の前年比減少率は、いずれも約10%だった。IDCによると、これは統計を取り始めて以来最大の落ち込み。2014年はこれと比べれば安定しており、市場は最悪の状況を脱した感がある。
ガートナーの主席アナリスト、北川美佳子氏によると、パソコンからタブレット端末に買い替える動きは2013年から2014年上半期にかけてピークに達した。