「『昼顔』見た?」
「えー、まだ見てない」
「早くネットで見てみなよ、おもしろいから」
いまどきの上海の若者は日本人以上に日本の映画やドラマ、アニメをよく見ている。しかも、従来は一部の日本ファンに限られていた視聴者が、そのすそ野をぐっと広げるようになった。
昨年、上海の外資系企業に新卒入社した自称“日本オタク”の中国人女性、何華群さん(仮名)はこう話す。
「それまで日本のドラマや映画に無関心だった人々が、『半沢直樹』以来、一斉に見るようになりました。最近では『昼顔』ですね。私の周りの友人はみんな見てますよ」
「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ系ドラマ、主演は上戸彩)は上海の若者だけではなく中高年をも夢中にさせているらしい。
しかも、いまどきの中国人は海賊版DVDなど買わずに、「優酷」や「土豆」といった動画投稿サイトにアクセスしてこれを見る。地下鉄の車内ではスマートフォンの画面にかじりつく姿があちこちで見られる。
ちなみに昨年の上海国際映画祭では、日本映画ウィークに上映される「そして父になる」(是枝裕和監督、福山雅治主演)のチケットを求めてファンが殺到し、一瞬にして売り切れるという出来事も起きている。