五神眞・新東京大学総長を始め歴代の理学系総長を生み出し続けてきた旧制と新制の武蔵高等学校・中学校の指導方針で「問題設定学習」のお話が残っていたタイミングで、STAP細胞不正の結論的な発表が理化学研究所からありました。
12月19日の記者会見で理化学研究所は「STAP細胞は再現できなかった」と正式に発表、問題の中心に立っていた研究者は21日付で退職、退職後でも懲戒の議論は続くとのこと。
また26日には「ES細胞混入の可能性」という、すでに9か月前から延々言われてきた説を上書きするような報告書が理研自身でも出されました。
さらに、問題の元研究者には捏造・改竄などの不正があったことも改めて指摘されています。
「研究倫理教育」に意味はあるか?
正直迷惑きわまりないのです。この問題が明らかになってから、大学の中では「研究倫理」を巡る議論が大変で「コピー&ペースト」を防止するソフトウエアの導入やら何やら、およそ建設性のない不毛な議論に多くの人が莫大な労力と時間を費やさせられています。
理学部では早々と「必修研究倫理」の科目が導入されるそうですが、この手の科目の議論に耳を傾けてみると、倫理というより、つまるところ「これこれの不正をするとこんな風に罰せられてロクなことがないよ」というケーススタディで禁止のための禁止を増やすだけみたいなことになっているようです。
似て非なる例を挙げましょう。