数日前から「●●様がテレグラムに加入しました」というメッセージが頻繁に私の携帯電話に届くようになった。「テレグラム」とは、ドイツ生まれのモバイルメッセンジャーの名称である。生まれはドイツだが、開発したのはロシア人だという。

モバイルメッセンジャー市場で93%の圧倒的王者だが・・・

 韓国では、これまで「カカオトーク」がモバイルメッセンジャー市場で93%のシェアを占める不動の1位。カカオ社はそのパワーを利用して検索サイト第2位のダウムを吸収合併し、ダウムカカオとして10月1日に発足したばかりだ。

 筆者も韓国の友人、知人、仕事関係者問わず「カチン(カカオ友達)」として登録されており、公私ともにフル活用である。だが、そんなカチンたちが1人抜け、2人抜けとテレグラムに移動してしまっているのだ。

 なぜ、こうなったのか。理由は大統領の発言にあったようだ。

 先月16日、朴槿惠(パク・クネ)大統領は国務会議で「国民の代表である大統領に対しての冒涜発言が度を過ぎている。これは国民に対する冒涜でもあり、国家のステータスを陥れ、さらには外交関係にまで影響を及ぼしかねない」と、発言した。

 2日後の9月18日は、大検察庁が「サイバー上での虚偽事実の流布への対応策」を設けたと発表した。

 検察側は、専担の捜査チームを組織してオンラインモニタリングを実施し、虚偽事実流布の事犯を見つけ出すと発表した。

 この発表は、モバイルメッセンジャーを使っている人たちを震え上がらせた。なぜなら、プライベートなメッセージが監視下に置かれると思われたからだ。

 韓国ではカカオトークユーザーが多いので、ダウムカカオの検察側に対する取り組みはどうなのかに注目が集まった。