9月19日 医療費の適正化を進める社会保障審議会医療保険部会は、制度改革の2巡目の議論を始めました。取りまとめは11月下旬を目指しています。

 この会議ではすでに8月までの議論を基に、主な論点を以下のように整理しています。

(1)医療保険の財政基盤の安定化(健保や国保への国庫補助を続けるかなど)
(2)国民負担の公平の確保 (高齢者の負担軽減措置についての議論など)
(3)保険給付の対象の適正化(大病院を受診する場合の負担のあり方など)
(4)医療費適正化・保険者機能発揮(後発医薬品の使用推進など)

厚生労働省の資料を参照ください)

 いずれも大事な項目であり、改革の必要がある分野だとは思います。けれども議論の中身を見てみると、とても実効性のある議論がなされているとは言いがたいものがあります。

 今回は、「(3)保険給付の対象の適正化」の中の「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担のあり方」についての議論を見てみましょう。

 ここでは、紹介状なしで大病院を受診する場合の追加料金をいくらにするか、大病院の範囲をどこまでにするか、などの議論が行われています。でも、こうした細かな部分の議論は患者を混乱させることになります。さらに、いくら細かいことを決めたところで、「初期の診療は地域の診療所で、高度・専門医療は大病院で」という目的を完全に達成することはできません。