カナダRIM(リサーチ・イン・モーション)のスマートフォン「ブラックベリー(Blackberry)」を巡る問題が大きくなっているようだ。
ヒラリー・クリントン米国務長官は8月5日、アラブ首長国連邦(UAE)が安全保障上の理由で同端末サービスの規制を予定していることについて、同国政府と協議していることを明らかにした。
またカナダのバンローン国際貿易相も、同国政府当局者がRIMとともに問題解決に向けて各国政府と協議を進めていると説明した。
クリントン長官、RIM支持の方針
ブラックベリーを巡っては、UAEが同端末の電子メール、ウェブ閲覧、インスタントメッセージング(IM)のサービスを10月11日に停止すると発表している。サウジアラビアもIMサービスを8月中にも中止するよう通信事業者に命じたと伝えられている。
米ウォールストリート・ジャーナルは、クリントン長官が5日の会見で、「安全保障に対する懸念は正当なものだが、(通信を)自由に利用する権利も正当だ」と述べ、RIMを支持していく方針を示したと伝えている。
長官は「米政府はこの問題のあらゆる側面について、検討、分析し、技術的、専門的な協議を続けていく」と述べている。
一方でUAEは、「安全保障上の脅威となるようなメールやチャットに即時にアクセスする必要がある」と主張している。
多くの紛争地域にまたがる国際交通網の中心にある同国は、政府要人の暗殺事件や過激派組織の自爆テロなどが起こるため、そうした措置が不可欠というのが理由だ。
規制の目的は言論の自由の抑制ではないとし、その証拠に米アップルの「アイフォーン(iPhone)」などブラックベリー以外は規制するつもりはないと述べている。