大阪市西成区選出で自民党大阪市会議員団・幹事長の柳本あきら氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(8月10日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。大阪で進む特別区設置の動き、大阪都構想の制度設計を行う法定協議会の現状や課題などについて語った。
大阪に特別区を設置する必要が本当にあるのか
中山 今回は自民党大阪市会議員団・幹事長の柳本あきらさんにお話を伺います。まずは現在の大阪市の財政状況について教えてください。
柳本 大阪市は全体的に見て借金や負債残高が減ってきていますが、かつて橋下(徹)大阪市長が府知事を務めていた大阪府においては、まだ財政状況がよくありません。その辺をしっかりと検証していかなければならないと思います。
かつて関(淳一)元大阪市長は非常に大きな改革を実行しましたし、平松(邦夫)前大阪市長はそれを引き継ぎました。橋下氏の改革を必ずしも否定的に見ているわけではありませんが、2人の元市長と比較すると改革の幅は小さいのではないでしょうか。
中山 橋下氏は大阪市に24ある行政区を5つの特別区(北区、東区、南区、湾岸区、中央区)に再編する方針を示していますが、仮にそうなると今の区役所はどうなるのですか。
柳本 当初は今ある区役所を活用し、なるべく新庁舎を建てないと言われていましたが、最近は必要に応じて建て替えるという方向に話が変わってきています。
例えば現在の西成区役所を新中央区役所にする案があるそうですが、新中央区を所管する部局が西成区役所に全て入れるのかどうかは現実的に難しいでしょう。
中山 今の財政状況を考えると、そもそも特別区設置が本当に必要なのか私は疑問です。大阪にはもっと優先して取り組むべき問題が山積していると、一市民として感じますね。
大阪市が特別区に分割されたら政令指定都市の権限を失う
中山 大阪都構想の制度設計を行う法定協議会(大阪府・大阪市特別区設置協議会)では、橋下氏が率いる大阪維新の会と市議会各党の対立が深まっているという話も耳にしますが、実際のところはどうですか。
柳本 まず前提として、橋下氏はいろいろな問題に取り組んでおられますし、我々がその全てに反対しているわけではありません。大阪都構想について各党の代表者が集い、議論するのが法定協議会ですが、実はそこでの議論が今年1月末に頓挫したんです。