今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(8月3日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、フランスがロシアに強襲揚陸艦2隻を売却する契約を締結したニュースを取り上げたほか、急患輸送への活用が検討される新型輸送機オスプレイ、小選挙区比例代表並立制などについて語った。
自衛官の心情を無視した集団的自衛権反対のポスター
中山 小野寺(五典)防衛相は、訪日中のフランスのルドリアン国防相と会談し、フランスが強襲揚陸艦2隻をロシアに売却する契約に対して強い懸念を伝えたそうです。
これに対しルドリアン国防相は、「すでにロシア側からの代金が支払われているうえ、武器等も搭載されていない、あくまでも輸送の目的の船だ。ただし、EU(欧州連合)全体としてロシアへの制裁の対象となれば、決定には従いたい」と述べたと報じられました。
今ウクライナは、まるで20世紀の米ソ冷戦時のような様相を呈していますが、そうした中でロシアにフランスが強襲揚陸艦を売却するのは理解しがたい話です。
ルドリアン国防相はあくまで輸送が目的だと述べていますが、強襲揚陸艦というのは本来、武器や兵士を輸送して相手の国に攻め入ることを目的とした艦船なんです。これが極東と欧州の北側の海に配備されることの意味を、よく考える必要があります。
また、日本とロシアの間には平和条約が存在しません。過去には根室漁港の漁師の青年が、北方領土近海でロシア国境警備隊の武装船に銃殺される事件も発生しています。ロシアの公権力が民間日本人を殺害したということは、日露が戦闘状態にあるのと同じです。
そんな中、集団的自衛権の行使容認が大きな話題になっていますが、一部マスコミから「日本が戦争に巻き込まれるのでは」という報道が聞かれます。社民党にいたっては、自衛官の子どもを想起させるビジュアルのポスターをつくり、そこに「あの日から、パパは帰ってこなかった」というキャッチコピーを載せている。
国を守るために全力で任務にあたる全国の自衛官、そしてそのご家族に対して、これほど失礼なことはないでしょう。防衛省や自衛隊では、常に数多くの隊員たちが国防に対する強い信念と誇りを持って活動を行っていることを忘れてはなりません。
もっとも、政治家の誤った判断で戦争が起きてしまうことがあるのも事実です。政治家には、戦争を回避するための落ち着いた外交努力を展開することが第一に求められます。