毎日6000人近くの日本人観光客が押し寄せているハワイ・ホノルルの観光の中心ワイキキビーチ、その沖合12海里のアメリカ領海南方周縁の外側海域に中国人民解放軍海軍情報収集艦「北極星」が姿を現した。
強力なスパイ艦「北極星」は、ワイキキを観察しにきたのではなく、ハワイ・パールハーバー海軍基地を本拠地に開催されている多国籍海軍合同訓練「リムパック2014」を監視しにきたのである。
リムパック2014は、初参加の中国海軍も含んだ22カ国の海軍や海兵隊が参加して、6月下旬から8月上旬まで実施されている(本コラム「リムパックで特等席を与えられた自衛隊『いせ』」参照)。中国海軍が初めて参加するということで例年に増して注目されているリムパック2014には、中国も含んだ16カ国50隻以上の軍艦と、13カ国200機以上の航空機が参加しているため、“電子情報のデパート”とも呼ばれている。
中国海軍の“公式”参加軍艦は駆逐艦・フリゲート・補給艦・病院船それぞれ1隻ずつの4隻であり、「北極星」はリムパックに招待されていない“闖入艦”である。