今回の『中山泰秀のやすトラダムス 』(7月13日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、フィリピンの小学校で起きた日章旗の書き換え問題などのニュースを取り上げたほか、中韓の接近で様変わりする北東アジア情勢について解説した。(今回は東京・渋谷からの出張放送)

「日章旗の書き換え」は朝鮮日報の誤報

中山 日本政府が学校の環境改善事業の一環として改装して建てたフィリピンの学校の外壁に描かれていた日の丸が、韓国によって太極旗に書き換えられるというニュースがありました。私はこの報道を7月9日に友人からの連絡で知り、さっそく外務省に事実関係を確認してもらいました。そして同日、同省から次の内容の回答を得ています。

1.6月28日付韓国朝鮮日報に、過去に日本が支援したフィリピン・トロサ市のサンタエレナ小学校において、昨年の台風被災地域の復旧のためフィリピンに派兵されていた韓国工兵隊が同校の屋根や割れたガラス等を修復した後、同校壁面に描かれていた日章旗を消し、太極旗を描いたとの記事が掲載された。

2.在フィリピン大使館からフィリピン教育省に確認したところ、同報道にある「トロサ市サンタエレナ小学校」は存在せず、日本の国旗が上書きされたとの事実は承知していない旨の回答があった。

3.これを受け、外務省より再度確認したところ、日本の円借款事業によって整備されたレイテ州パロ町バラス小学校において、校舎の壁面に描かれた日章旗および我が国の支援を受けたとの記述が消され、韓国国旗が描かれていることを確認。

 フィリピン教育省地域事務所に当該情報を共有するとともに、早急に経緯等事実関係を確認するよう依頼したとのことです。

 なお、1997年3月に日本政府がフィリピンに対して行った円借款「貧困地域初等教育事業」の実行額は95億6100万円で、フィリピンの貧困州(23州)において学校施設の増改築、教科書や機材等の調達、研修等が実施されました。同事業の一環として、レイテ州パロ町のバラス小学校の改修が行われています。

 その後、7月11日に外務省から新しい情報が届きました。内容は以下の通りです。

 詳しい経緯は引き続き確認中だが、フィリピン教育省の説明によれば校舎の外壁の塗り替えは、屋根や窓などの修復にあたった韓国軍が行ったものではなく、現地の児童の保護者等がボランティアで実施したもので、その際に日章旗等が消されてしまった。