米ブルームバーグの報道によると、米アップル製品の製造を請け負う中国の工場が7月にも新型アイフォーン(iPhone)の量産を始めるという。
「iPhone 6」との名が噂されている次期アイフォーンは、ディスプレイサイズが現行の4インチよりも大きい4.7インチのモデルと、さらに大きい5.5インチのモデルが準備されている。前者は9月頃に小売店に出荷される見込みで、後者も同様の時期の発売を目指し、生産体制を整えるという。
「iPhoneはクックCEOにとって最大の武器」
ブルームバーグによるとアイフォーンの新モデルは従来モデルに比べより薄く、丸みを帯びた形になる。サイズが大きくなる理由は、アイフォーンの売り上げ成長率を再び爆発的なものにする必要に迫られているティム・クック最高経営者の今の状況にあるという。
すでに韓国サムスン電子や台湾HTC(宏達国際電子)が5.7インチのスマートフォンを市場投入しており、消費者は大きなディスプレイを求めるようになっている。とりわけ成長著しい中国市場では、「アンドロイド(Android)」搭載端末の販売台数のうち、4割以上が5インチ超の端末になると予測されており、アップルもこうした大画面市場に参入するという。
また、アップルの売上高に占めるアイフォーンの割合は5割以上となっている。例えば、今年1~3月期までの過去1年間におけるアイフォーンの売上高は962億2600万ドルで、同じ期間の同社全売上高、1760億3500万ドルの55%を占めている。
この900億ドル超という売上高は、米オラクル、米ヤフー、米フェイスブック、米ツイッターの年間売上高を合わせた額よりも多く、アイフォーンは依然、クックCEOにとって最大の武器だとブルームバーグは伝えている。
ただ、5.5インチのアイフォーンは小型モデルに比べ複雑な作りになっており、生産効率が低い。そのため量産に入るまでにアップルは問題を解決しなければならないとブルームバーグは伝えている。
台湾の製造受託業者2社、工員数を大幅拡大
またこの報道と同じ日に、英フィナンシャル・タイムズや英ロイター通信などが、台湾の経済日報(Economic Daily News)の記事を引用し、アップルの中国工場が工員数を増やすと報じた。
それによると、新型アイフォーンの製造を請け負うのは、台湾ホンハイ(鴻海精密工業)傘下のフォックスコン(富士康科技)と、台湾ペガトロン(和碩聯合科技)の2社。それぞれの生産比率は70%と30%という。