新潟2区選出で元農林水産大臣政務官の民主党衆議院議員・鷲尾英一郎氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(6月1日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 「衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」の与党筆頭理事を務める中山氏と、同委員会野党筆頭理事の鷲尾氏が進展を見せ始めた日朝政府間協議などについて語った。

北朝鮮は本当に拉致被害者の再調査に応じるか?

中山 今回は、民主党衆議院議員の鷲尾英一郎さんにお話を伺います。国会には「衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」という組織があります。私は与党筆頭理事を拝命しており、そのカウンターパートナーとして野党筆頭理事を務めておられるのが鷲尾さんです。

 スウェーデン・ストックホルムで開かれていた日本と北朝鮮の政府間協議が終了し、北朝鮮側が拉致問題の再調査などに前向きな姿勢を見せていることが報じられています。まずはこの展開をどうご覧になっていますか。

鷲尾 もともと北朝鮮は、日本一国だけで動かせるような状況ではありませんでした。私は議員になってからずっとこの問題に関わっていますが、北朝鮮は国際社会の中で孤立化すると日本に救いの手を求めてくる傾向があります。

 2008年の日朝協議でも、彼らは拉致被害者の安否調査をやり直すことを約束しました。今回もまさしくそうですが、あの時と大きく違うのは中国との関係です。

 昨年12月に北朝鮮ナンバー2の張成沢(チャン・ソンテク)前国防委員会副委員長が粛清され、中朝の対話や関係に変化が生じつつあった中で、今回日朝協議が進展したということは今まで以上に期待が持てるでしょう。

 しかし、北朝鮮は周知の通り平気で嘘をつく国家でもありますから、どこまで信頼していいのかは正直疑問が残ります。

 北朝鮮は再調査のための特別委員会を設置し、調査状況を日本に報告するとしており、日本側もその見返りに人的往来の規制、送金停止や入港禁止などの制裁措置を一部解除する構えです。

 とはいえ、彼らは本当に委員会を立ち上げて調査を行うのか、あるいは調査に実効性はあるのかどうかを我々のやり方でしっかり検証しなければ、出し抜かれる可能性も大いにある。期待を裏切る結果にはなってほしくないと懸念しています。

曽我ひとみさんが意見交換で口ごもる理由

中山 今回の日朝協議に先立つ今年3月、モンゴルのウランバートルで、北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんの父・滋さんと母・早紀江さん夫妻が、孫でめぐみさんの娘であるキム・ウンギョンさんと面会したことは、大きな意味がありました。面会場所が北朝鮮ではなく、モンゴルという第三国だったのも良かったと思います。