防衛省、中国軍事情報の収集・分析を強化へ

中国海軍のミサイルフリゲート艦「馬鞍山」〔AFPBB News

 最も急速に軍事力をつけている国が中国であることは、軍事費の伸びを見ただけでも明らかである。その中国の軍事力は近代的な装備という面でも侮れない。

 旧ソ連から受け継いで改良を重ね、今やロシアも保有していないような装備を手にしているのだ。

 中でも注目すべきなのがミサイルではないだろうか。詳しくは後述するが、米国に対抗するために旧ソ連が全力を挙げて開発したミサイルシステムを、中国は受け継いだ。

 その後、改良を重ね、中国独自に軍事用測位システム衛星を打ち上げてミサイルを的確に標的に誘導するシステムを完成させるなど、今となってはロシア以上の洗練されたシステムを構築していると見られている。

 最も近代的なミサイルシステムとはどのようなもので、攻める側も守る側もどのような仕組みが必要になるのだろうか。やや専門的になるものの、国を守るという観点からはぜひ知っておいてもらいたいものである。

ミサイルを体系的に分類すると

 既に外来語として日本語になって久しい「ミサイル」だが、あえてカタカナ以外の日本語にすると「誘導弾」ということになるだろう。何らかの形で誘導されている弾薬という意味である。言葉を換えれば、飛ぶものと飛ばすものとのコラボレーションと表現してもいい。

 ミサイルの種類や分類などはネット上で様々な記事が掲載されているので、ここでは触れないこととする。ただ、一般的な記事では触れられていないミサイルとミサイルを発射する側の関係を主体に、ミサイルの周辺事情の紹介を試みてみようと思う。

 ネット上ではあまり紹介されていない分類方法がある。例えば、各国における武器等に関わる形態管理類別記号による分類方法である。

 米国においては艦艇に搭載されるミサイルには最初にRが付され、飛翔形態によりIやGといった記号が付され、その後にミサイルのM、さらにその後に開発されたミサイルの一貫番号、時には性能改善が行われた場合の状態を示すサフィックスが付され識別される場合がある。

 例えば「ハープンミサイル」の場合、RGM-84Aという記号となり、イージス艦に搭載されている「SM-2ミサイル」はRIM-67ということになる。

艦艇から放たれるミサイルはSAM

 ジェーン年鑑やウェブで艦艇、航空機の搭載武器を検索すると、この分類記号で示されている場合が多い。ちなみに「SM-2(RIM-67)」はSAM(Surface to Air Missile)である。

 英語の語感では、Surface と Sea の区分はあまり明確ではない場合がある。空母とその搭載航空機を艦艇とともに運用している海軍では、Surface と Sea は同じ感覚でとらえられているに違いない。

 艦艇のことを Surface Ship といった表現をすることがよくある。もちろん、表面以外を航行する艦船、潜水艦を意識した表現でもある。

 分類記号から1つの分析が可能である。上記の「SM-2(RIM-67)」を例に取って説明を試みると、米海軍では、「SM-2」の前に「SM-1」が制式化され運用されていた。